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銀行員が取得すべき資格の難易度ランキングで紹介|17つの資格を持つ現役行員が解説

銀行員は、金融に関するものを中心に、幅広い分野の資格取得が求められる職業です。必要な資格の範囲が広い分、それぞれの取得難易度には大きな差があります。

この記事では、入行以来17つの資格を取得してきた現役行員が、自らの体験も踏まえ、ランキング形式で資格について解説します。

銀行員が取得すべき資格の難易度は?ランキングで紹介

出題範囲や合格率、自身の体験をもとに取得難易度を以下の通りランキングにしました。

ランキング上位の資格は非常に難易度が高いですが、しっかり学習し対策を行えば誰でも合格できるものばかりです。もし独学が難しい場合は、通信講座などを活用することもオススメです。

 

1位:1級FP 難易度☆5

  • 学習時間目安 

200~300時間

  • 合格率

①学科試験:8%~15%

②実技試験:80%~90%(面接試験(金財)、筆記試験(FP協会)ともに)

 

FP1級は年金、住宅ローンなどのライフプランや、各種保険などのリスク管理、金融、税金、不動産、相続と、とにかく幅広い知識が問われます。学科試験の合格率が10%前後と低く、年3回の受験チャンスがありますが、合格を目指すならしっかりと学習時間を確保する必要があります。学科さえ合格してしまえば、実技試験はそんなに大変ではありません。とにかく過去問を回し、過去問の類似問題で得点を稼ぐのがポイント。とはいえそれだけでは合格点には届かないため、テキストを読み込み細かい知識を深めていくことも重要です。

2位:証券アナリスト 難易度☆4.5

  • 学習時間目安 

300~400時間

  • 合格率

①1次試験:50%前後(3科目合格)

②2次試験:50%前後

 

証券アナリストは証券・財務・経済の3分野に関する知識が求められます。1次・2次試験ともに5万円程度の通信講座を受けることが受験要件になります。試験はそれぞれ年2回(1次)または1回(2次)しか試験が開催されません。合格率は1次・2次ともに50%前後と高めですが、不合格が続くと高額な通信講座の再申込が必要になるので、注意が必要です。

知識問題が大半ではありますが、証券の分野は計算問題も多いため、テキスト等を眺めるだけではなく、しっかりと考えながら過去問に取り組むことが重要です。

3位:宅地建物取引士 難易度☆4

  • 学習時間目安 

200時間

  • 合格率

15%~18%程度

 

宅建は毎年20万人以上が受験する国家資格で、年1回のみ受験可能です。融資業務に関わる内容も多いことから、銀行員の受験者も多い資格です。

試験は、4択のマークシート形式で出題されます。民法、宅建業法、法令上の制限、税その他と学習範囲は広いため、かなりの学習時間が必要になります。

とはいえ歴史が長く、かつ人気の資格のため、過去問や通信講座などの学習ツールはとても豊富です。過去問を中心に、自分にあった勉強を継続すれば、合格はそれほど難しくはありません。

4位:証券外務員(1種) 難易度☆3.5

  ※「入行前後での取得」を加味した難易度評価

  • 学習時間目安 

80時間程度

  • 合格率

65%程度

 

証券外務員資格は、金融商品を取り扱う銀行員にとって必須の資格です。試験範囲は、証券業務に加え、経済・金融・金商法など法律内容について幅広く問われます。基本的に何度でも受験が可能ですが、不合格が続けば上司からお叱りを受けることは間違いなしです。

○×および5択の出題形式ですが、専門知識や計算力も求められる試験になるので、甘く見ていると落とされます。上位資格同様、過去問で問題のパターンを理解することが重要です。

5位:簿記2級 難易度☆3.5

  • 学習時間目安 

200時間

  • 合格率

30%前後(8%や48%の回もあり)

 

簿記2級は、一般的な仕訳や財務諸表作成、原価計算などに関する知識が求められる試験で、年3回開催(別途ネット試験もあり)されます。世間的には非常に知名度の高い資格ですが、意外と受験する銀行員は少ないです。

理由としては、銀行員が普段扱う融資知識とは全く異なる試験内容であることが挙げられます。

とにかく問題演習が重要ですが、いきなり過去問に取り組んでも難しいため、個別テーマを1つずつしっかり学んでいくことが重要です。場合によっては、通信講座を検討してみてもよいと思います。

6位:法務2級 難易度☆3

  • 学習時間目安 

50時間

  • 合格率

30%前後

法務2級は、三大業務検定試験(法・財・税)のうちの1つで、多くの銀行員が苦労する試験です。試験は年2回開催され、預金・手形小切手・融資等、銀行業務に関わる各種法律について問われます。一部択一問題もありますが、その他は全て記述式の解答が必要です。

小六法(銀行に関連する法律が記載された書籍)の持ち込みが可といえど、理解を伴わないと、試験時間が全然足りません。過去問を、本番の試験をイメージしながら解いてみることが重要です。(「小六法のどの箇所に、どんな内容が記載されているか」を事前に把握しておきましょう。)

7位:FP2級 難易度☆3

  • 学習時間目安 

100時間

  • 合格率

40%前後

 

FP2級は1位の1級と同様の試験範囲ですが、難易度はグッと下がります。難易度のイメージとしてはFP3級<FP2級<<<FP1級といった具合です。

試験は年3回開催。基本は択一式解答ですが、計算問題は解答の記述が必要になります。設問は毎回同じようなものが大半になりますので、過去問を繰り返し解くことが合格への近道です。

なお、銀行員にとって必要な知識を広く学べるため、合格を目指すだけでなく、是非高得点も狙いたい試験です。

8位:税務2級 難易度☆3

  • 学習時間目安 

50時間

  • 合格率

25%前後

 

税務2級は、三大業務検定試験(法・財・税)のうちの1つで、法務2級同様、多くの銀行員が取得に苦労します。

法務・財務と異なり、比較的受験者も少ないことから、試験は年1回しか開催されません。

所得税・相続税・贈与税・法人税等、税金に関する知識および、実際に金額を計算することが求められます。

一問一答のような形式ではなく、解答には知識を活かした計算が必要となることから、一連の流れを手を動かしながら覚えることが重要です。

9位:財務2級 難易度☆3

  • 学習時間目安 

50時間

  • 合格率

25%前後

 

財務2級は、三大業務検定試験(法・財・税)のうちの1つ。法務・税務とは異なり、銀行員(総合職)は実務に直結する面も多いことから、ほかの2つより比較的難易度は低い印象です(ただし、実際の合格率はあまり変わりません)。

試験は年2回開催。財務諸表問題、財務分析問題が半分ずつ出題されます。財務諸表の作成や、CF計算書の作成・各種指標の計算問題などは、毎回のように出題されますので、確実に対策しておきましょう。ほかの2級試験同様、過去問対策が重要です。

10位:法務3級 難易度☆3

  • 学習時間目安 

20時間

  • 合格率

30%程度

法務3級では、銀行業務に関わる法律知識を問われます。解答方法は異なりますが、試験範囲は基本的に2級と大きくかわりません。

年2回開催で、入行直後の6月にも開催されるため、銀行員がぶつかる最初の壁とも言えます。

入行直後の受験の場合、初見の法律用語を1つ1つ調べる必要もあり、3級にしては合格難易度は高いと思います。

幸い、全て択一式の試験なので、理解できるまで何度も過去問を繰り返し、最悪丸暗記で乗り切ることも可能ではあります。