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銀行員の勉強方法は?スキマ時間を効率よく使うことが重要

銀行員一年目はとにかく勉強、自己啓発に取り組むことが第一です。入行一年目だけでも、5つ以上の資格試験を受けることになります。

資格取得だけでも、少なくとも100時間程度は勉強時間を確保する必要があります。

 

資格取得に加え、新人のうちは業務に関することや世界情勢などの学習も必要。

業務が終わっても、勉強ばかりなのが銀行員なのです。

入行5年目で15以上の資格を取得してきた自身の経験を踏まえ、銀行員に必要な勉強について解説します。

銀行員の資格取得に向けた勉強方法

銀行で必要な資格の数は膨大ですが、実は大半の資格は、過去問の反復学習さえすれば最短で合格可能です。

受験者数が多い、銀行業務検定やFP検定などはその最たる例で、過去問題集(3,000円前後)を2ー3回、解けるようになるまで繰り返すだけで、誰でも確実に合格できます(同じような問題しか出ないため)。

過去問の類題に正答できれば合格点に届く試験にも関わらず、合格できない人は以下のような共通点があります。

  • 過去問の解答内容の理解が曖昧(ただ解いただけ、目を通しただけ)
  • インプット学習が中心で、過去問練習などのアウトプットが不十分

過去問練習などを通じたアウトプット中心の勉強方法に変えるだけで、劇的に改善が見込めるはずです。

銀行員はどんなことを勉強すべきか

銀行員は資格取得の勉強はもちろん、業務に関する内容や世界情勢まで、勤務時間以外で幅広い学習に取り組む必要があります。

資格や銀行業務検定

銀行に入行してからというもの「常に」「自主的に」学び続けることが求められます。

そのため、知識の証明手段として、銀行員は試験を受験する機会が多く、特に入行1年目の試験数は圧倒的に多いです。

 

参考までに私の入行1年目に受けた試験は以下の通り。

いかに試験ばかりの1年間だったのか、お分かりいただけると思います。

入行前 証券外務員1種試験
6月 銀行業務検定法務3級
7月 生命保険募集人資格試験
9月 ファイナンシャルプランナー技能検定3級
損害保険募集人資格試験
10月 銀行業務検定税務3級
11月 ファイナンシャルプランナー技能検定2級
翌1月 銀行業務検定財務3級

ほとんどの銀行で、入行1年目から同じような資格取得が求められます。

新入行員のうちは、帰宅してからの時間のほとんどを資格学習に充てるといっても過言ではないでしょう。

業務に関する内容

預金や為替(振込などのこと)に関する窓口業務・融資業務・投資信託や保険などの商品販売業務をはじめ、銀行で取り扱う業務は本当に幅広いです。

自分の担当している業務以外について細かい理解の必要性はありませんが、私の銀行では入行1年目からジョブローテーションとして、各種業務を一通り経験することになっていたため、他分野の知識も必要でした。

具体的には、以下の内容を理解する必要がありました。

 

窓口業務 手続きに必要な書類、事務フロー
融資業務 融資の着眼点、決算書・財務諸表の見方(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)、事務フロー
販売業務 個別商品ごとの顧客ターゲット、各商品の優位点・劣後点など

 

以上のことを業務の余裕時間に学ぶのには限界がありますし、上記のマニュアル内容や知識については、「業務外であらかじめ学んでおくべき」といった銀行内の雰囲気があります。

融資業務に関しては、資格試験を通じて学べることも多いですが、それ以外(銀行ごとの業務内容など)については、銀行所定のマニュアルなどを自宅で読み込んでおくことが大事です。

経済情勢

商品販売にも関わってきますが、経済情勢・マーケットの動きを自分なりに理解し説明→それに沿った商品案内ができなければ、あなたが勧める商品を、当然お客さまは購入してくれません。

そのため、常日頃から外部環境に目を向け、世界動向とその要因について理解しておくことが重要です。

まずは日経新聞を通じて、日々の動きを追って見ていれば、次第に全体感(各事象がマーケットにどういった影響を与え、相場が変動しているかなど)が見えるようになってくるはずです。

紙の新聞を使わなくとも、アプリで気軽に閲覧することもできるため、少しずつ毎日読む習慣をつけることをお勧めします。

勉強時間を確保するには

幅広い銀行業務・知識を学ぶには、意識的に勉強時間を確保しなければなりません(「時間が空いたらそのうちやろう」の先延ばしは危険です)。

例えば、朝の通勤時間はただぼーっと過ごすだけではなく、新聞を読む時間として固定する。

帰りの通勤時間は当日の業務の振り返り、などそれぞれの余白時間の使い道を固定、習慣化できれば、成長に繋がるはずです。

なお、日毎から学習している姿勢や、試験合格を周囲にアピールしておけば、いざ試験直前で飲み会などに誘われても、試験対策を理由に断ることができます(普段からの学習を蔑ろにしていると、「どうせ勉強しないだろうし、参加しろ」ってことにもなりかねません)

周りの注目を集めることで、自分への良いプレッシャーにもなります。

 

資格が取れないと銀行員としてやっていくのは難しい

資格の重要性、やり方次第で簡単に資格取得が可能であることを説明してきました。
「勉強だけしてても実務には関係ないんでしょ?」と考えられる方もいらっしゃると思いますが、実際の銀行社会や評価体系はそうではありません。

例えば、私の銀行では、各種業務検定2級(法務、財務、税務)が役職への就任の要件となっています。そのため、融資実行や各種商品の販売実績は抜群なのに、なぜ昇格しないんだろう・・・という方がいますが、「資格を全く持っていない」ことが原因のことも多いです。
また、証券外務員資格のような、業務を行う上で必須の資格もあるため、それらの資格に合格できず降格処分となってしまう人もいるようです(当然給料も下がることになります)。

銀行員で勉強嫌いな人の対処法

①仕事の一環として割り切って頑張る

銀行員にとって、専門知識の取得は必須。

そのためには自ら学び、資格取得を放棄することは業務遂行上も、自身への評価といった点でも、絶対避けるべきです。

融資の案件組成や商品販売はどんなに頑張ってもお客さま次第で成否が変わりますが、資格取得は自身の努力だけで解決できる問題です。

10数時間の勉強時間を確保するだけで、確実に結果が出ると思えば、やる価値が見出せないでしょうか。

②出世を諦める

幸いにも、資格に合格できないからといって、銀行を退職させられることは通常あり得ません。
ですので、上司から資格のことで詰められ、出世もできない。そういったことを気にしないのであれば、この選択肢も取ることもできます。ただし、非常にもったいないですよね。

③転職する

勉強=資格取得が評価の一定ウェイトを占める銀行を辞めてしまい、完全実績主義の会社へ転職してしまうという手もあります。

銀行は良くも悪くも、数字を上げてなくても、大きなマイナス点(必須資格を持っていないなど)がなければ、ある程度出世することもできます。

そういった評価体系に疑問を感じていたり、絶対に勉強だけはしたくない!という方は、銀行の外に出て、自分の実力を試す選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

銀行ではとにかく資格取得などの自己啓発が求められます。

努力して得た資格や知識は、銀行員としての礎になるだけではなく、人事評価・出世へも大きな影響あり。

また、銀行員が受ける試験は、過去問を繰り返し解くことで対策できるものが大半で、行動し努力さえすれば誰でも合格することができます。

今回をきっかけに、まず最初の1歩目を踏み出し、より良い銀行員人生を目指しましょう。