「銀行に内定が決まったけど、入社までにやっておくことはある?」
「今から取得すべき資格はある?」
時間に余裕のある大学生のうちに、銀行員に必要な資格をとっておきたいと考える方は多いと思います。
銀行員は金融に関するものを中心に幅広い知識が必要で、入行直後から数多くの資格取得が求められます。
そのため、大学生のうちから資格取得に取り組めば、同期の社員たちよりも頭ひとつ抜きん出ることができます。
この記事では、大学生のうちに取得すべき資格や、今から準備しておくべきことを入行5年目行員の目線でわかりやすく解説します。
まずはどれか1つだけでも始めると、入行した後の銀行員生活が変わってきますよ。
ぜひ参考になさってください。
【銀行員になりたい】大学生のうちに取るべき資格
銀行の場合、新入社員が入行後すぐに即戦力として実績をあげるケースはほとんどありません。
多くの銀行員は、知識と経験を積みながら、徐々にステップアップしていきます。
そのため、入行後しばらくは営業成績などで人事評価に差がつくケースは少なく、「資格取得」によって周りと大きく差をつけることができます。
大学生のうちに取るべき資格①銀行業務検定各種3級
①法務3級 難易度2(合格率25%前後)
②財務3級 難易度2(合格率25%前後)
③税務3級 難易度2(合格率25%前後)
受験日程 |
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受験費用 | 4,400円(税込) |
申込方法 | インターネット申込(経済法令研究会HP) |
受検資格 | なし |
受検方法 | 全国試験会場での受検またはCBT方式(※) ※テストセンターにて、PCを使って解答する試験方式 |
法務3級
法務3級は、多くの銀行員が最初に受けるであろう試験の一つ。
経済学部卒の私は、3級試験の中では最も苦戦しました。
銀行業務に関連する法律知識を問われますが、初見ではそもそも用語が全くわからないからです。
ただし、択一式の試験であり、過去問同様の問題しか出題されない(ほかの3級科目も同様)ので、2〜3週間も対策すれば十分合格は可能です。
財務3級
財務3級は、総合職の銀行員にとって最も実務(融資)に関連する科目です。
法務3級とは異なり、設問に対する答えが明確であり、比較的簡単に攻略できる科目とされています。ただし、実務経験がなく財務諸表等を初めて見るような場合は、法務同様2〜3週間程度の対策が必要でしょう。
税務3級
税務3級は、法務財務と比べ受検人口は少なく、年1回しか受検できません。
税制に関する大まかな知識が問われ、このあと解説するファイナンシャルプランニング技能士試験の内容とも重複する内容。
税金というと難しいイメージですが、細かい知識までは問われないので、同様に2〜3週間程度対策すれば合格可能です。
大学生のうちに取るべき資格②FP2級
難易度:星3
合格率:学科試験45%程度、実技試験60%程度(きんざい)
受験費用 | 8,700円(税込) |
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試験日程 | 1月、5月、9月 |
申込方法 | インターネット申込(経済法令研究会HP) |
受検資格 | FP3級技能検定合格者またはFP実務経験2年以上 またはAFP認定研修の受講修了者 |
受検方法 | 全国試験会場での受験 |
FP2級は名刺にも記載できる国家資格で、お金に関わる幅広い知識が必要な資格です(試験範囲は経済、不動産、税金、相続と本当に幅広いです)。
入行5年目~10年目でもFP2級を保有していない人もいますので、入行前に取得することができれば周りから一目おかれることは間違いなし(私は入行1年目に取得しましたが、自己啓発面で高い評価を得ることができました)。
金融知識の習得、人事評価への影響いずれの面でみても、非常に効果的な資格です。
独学が難しければ、動画学習サービス(※)などを活用してでも、取得を目指す価値はあると思います。
ちなみに、FP2級試験は2つの機関(FP協会、きんざい)にて試験が開催されておりますが、試験難易度に大きな差はありません(実技試験の問題は一部異なります)。
※動画学習サービスとしては、「オンスク」がおすすめ。
動画学習のメリットはなんといっても、その手軽さにあります。
「なかなか勉強に取り掛かることができない・・・」そんなときでも、「とりあえず動画を観るだけ」なら、かなり始める敷居は下がりますよね。
通学などのスキマ時間にコツコツ勉強ができるので、忙しい人でも続けることができると思います。
なお、料金は月額1,078円〜ながら、FP以外の資格に関する豊富な講座が用意されている点も魅力。
余裕があれば取っておきたいおすすめ資格 宅建
難易度:
合格率:15%程度
受験費用 | 7,000円 |
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試験日程 | 10月 |
申込方法 | インターネット申込 |
受検資格 | なし |
受検方法 | 全国試験会場での受験 |
宅建は毎年20万人以上が受験する国家資格で、不動産業界に勤める人が受けるイメージが強いかもしれません。
ですが、不動産は銀行が行う融資に対する担保の代表例であり、関連する知識を得るために受験する銀行員も多いです(ただし難易度は相応に高く、資格保有者は多くないため、若いうちに取得しておけばかなり注目を集めることができる)。
ただし学習範囲は広く、民法、宅建業法、法令上の制限、税その他と膨大な知識の暗記が必要です。
私自身は入行4年目のときに取得しましたが、仕事が終わってからのまとまった時間確保はとても大変だったので、時間のある大学生のうちの取得がおすすめ。
不動産業界に馴染みの薄い大学生にはとっつきにくい面も多いので、難しい場合は、FP同様に動画学習サービスの活用が効果的です。
また、試験は年に1回しか受けることができないので、確実に合格したい場合は、ユーキャンなどの通信講座を活用することもおすすめします。頻出範囲を中心に学ぶことができるため、独学よりも短期間(6か月間)で、効率的に学ぶことができます。
【銀行員を目指す大学生へ】資格だけでなく投資信託の勉強も始めると完璧!
知識向上に向けた資格勉強も大事ですが、将来的な営業活動を見据えた経験、実践も早い段階から始めておいたほうがよいです。
例えば、自身で投資信託を始めてみるのもおすすめ。
お客様にメリットや商品ごとの違いなどを説明するためには、まず自分自身で経験してみることが一番の近道だからです。
早ければ、入行1年目から投資信託の販売を行うことになりますが、入行前からの経験は大きなアドバンテージになるはず。最近では各種ポイントを利用したり、100円からでも始めることができるサービスも多いので、まずは実践してみることが大切です。以下に身近なポイントを利用する各社のサービスを一覧化しているので、自分にあったサービスを試してみましょう。
(ネット銀行など新興サービスと銀行の違い、各メリットデメリットを把握し、説明できるようにしておくと、なお良いと思います。)
利用するポイント
楽天ポイント
Tポイント
pontaポイント
dポイント
証券会社
楽天証券
SBI証券
auカブコム証券
投資信託購入には未対応
購入最低価格
100円~
(ただし、1ポイントから使用可能
100円~
(ただし、1ポイントから使用可能)
100円~
(ただし、1ポイントから使用可能)
ー
メリット
・取扱商品ラインナップが多い
・つみたてNISAにも対応
・ポイント獲得の提携先が多い
・月間保有残高に応じたポイント付与あり
・ポイント獲得の提携先が多い
・月間保有残高に応じたポイント付与あり
(投信購入には未対応。SMBC日興証券での株式購入は可能)
銀行員になりたい大学生は資格だけでなく、日経新聞を読み始めるのも必要!
銀行員は、社会で起こっていること、経済の動向について常に把握しておくことが必要な職業です。
例えば、融資の判断をする際にはその業界トレンド把握が必要ですし、投信を販売する際には相場の見通し理解が必要。
また、取引先の社長との会話の際にも、世の中の動きがわかっていないと会話が成り立ちません。
そのため、ほぼ全ての銀行員が朝刊を読んでから出勤してきますし、私の銀行では、朝礼で各自が気になった記事の解説と、それに対する自身の意見を交代制で発表している支店もありました。
私自身は銀行で働き始めてから新聞を読むようになりましたが、最初のころは内容がまったく理解できず苦労しました。
また、社会人の朝は忙しく、新聞を読むことに疎かになってしまうことが想定されるため、大学生のうちから新聞を読む習慣をつけておいたほうが良いです。
日経新聞であれば、スマホアプリでの閲覧も可能なので、電車やバスなどでの通学、移動時間に気軽に読むことができます。ぜひ今日からでも読み始めてはいかがでしょうか。
銀行員になりたい大学生が資格を取得すべき3つの理由
①銀行に就職すると、学ぶべき内容が無限にあります(少しでも早く、多く学んでおくべき)。普段の業務内容を覚えることに加えて、資格勉強、ビジネスマナーの習得や経済新聞から社会情勢を把握、さらには銀行独自の商品についての学習など、やらなければならないことは多岐にわたります。なお資格について、ここまで紹介したものは銀行員が必要な資格のほんの一部分です。
②入行前に資格を取得しておくと、上司や周りの人間から一目置かれます。入行前に銀行業務検定、ましてや難関資格(宅建など)を取得している同期はほぼいません。その中で自分だけ先行して銀行業務を理解し、知識の証明(=資格)を保有していることは、かなり大きなアドバンテージ。
③大学生なら時間の自由が効きます。銀行に就職してからは、朝から早くとも17時ごろまでは職場に拘束されることになります。そのうえで飲み会や行内のイベントなどをやり過ごし、学習の時間を確保することは身体的・精神的にとても辛いです。大学生のまとまった時間を有効活用することで、余裕をもって資格取得に取り組むことができるはずです。
銀行員の資格】大学生のうちにできることから準備しよう|まとめ
銀行に就職してからは、資格勉強を中心に様々なことを学び、経験していく必要があります。
実際に働いてみて初めて理解できることも多いですが、大学生のうちに準備・対策できることも多いのも事実。
働き始めてからでは、まとまった時間はなかなか確保できなくなります。
この記事をきっかけに、今すぐ行動を開始しましょう。スタートダッシュがうまくいけば、きっと周りと大きく差をつけることができます。